ASD(自閉スペクトラム症)とは?
ASD(自閉スペクトラム症)は、人とのコミュニケーションや周囲との関わり方、物事の捉え方などに特徴がみられる発達特性のひとつです。
「相手の気持ちを読み取るのが難しい」「周りに合わせることが苦手」「予定が急に変わると困ってしまう」など、日常生活の中でさまざまな困りごとにつながることがあります。
一方で、興味のあることに深く集中できたり、自分の得意なことを生かして力を発揮したりする方もいます。
本人の努力不足や、育て方が原因で起こるものではありません。
周囲の理解や環境の工夫、自分自身の得意・不得意を知ることによって、生活しやすくなることがあります。
こんなことはありませんか?
- 人との会話ややりとりが苦手
- 友だちとの関わりで悩むことが多い
- 相手の気持ちや考えていることを読み取るのが難しい
- 言葉の意味は分かっても、表情や声のトーンから気持ちを読み取るのが難しい
- 冗談や皮肉、遠回しな表現が分かりにくい
- 周囲に合わせて行動することが苦手
- 集団の中にいると疲れてしまう
- 自分の好きなことや興味のあることを話し続けてしまう
- 予定の変更や、急に起こった出来事が苦手
- いつもと違うやり方になると不安になる
- 好きなことに強いこだわりがある
- 音・光・におい・触感などが気になりやすい
いくつか当てはまるからといって、必ずASDというわけではありません。
また、ASDの特徴の現れ方は人によって大きく異なります。
「もしかしたら自分もそうかもしれない」「子どものことで気になることがある」という場合は、お気軽にご相談ください。
ASDの主な特徴
①コミュニケーションの苦手さ
人との会話やコミュニケーションの中で、相手の気持ちや意図を読み取ることが難しい場合があります。
言葉そのものは理解できていても、表情や声のトーン、場の雰囲気などから相手の気持ちを推測することが苦手なこともあります。
また、冗談や皮肉、遠回しな表現などを文字どおりに受け取ってしまうこともあります。
「人と関わりたくない」ということではなく、本人なりに一生懸命コミュニケーションを取ろうとしている場合も少なくありません。
②周囲に合わせることの難しさ
集団の中で周囲の人と同じように行動したり、その場の状況に合わせて行動を変えたりすることが苦手な場合があります。
「みんながやっているから自分もやる」ということよりも、自分なりの考えやペースを大切にする傾向があります。
そのため、学校生活や集団活動の中で「協調性がない」と誤解されてしまうことがあります。
無理に周囲に合わせようとすることで、本人が大きく疲れてしまうこともあります。
③こだわりの強さ
好きなことや興味のあることに強い関心を持ち、詳しい知識を身につけたり、長時間集中したりすることがあります。
また、「いつも同じ順番で行いたい」「決まった方法でやりたい」など、自分なりのやり方やルールを大切にすることがあります。
予定の変更や予想していなかった出来事が起こると、不安になったり混乱したりすることもあります。
一方で、このようなこだわりが、集中力や専門性、豊富な知識など、その人の強みにつながることもあります。
当院で行っている支援
学校での環境調整
必要に応じて、学校への情報提供や配慮事項についての相談、診断書の作成などを行います。
本人が安心して学校生活を送れるよう、環境や周囲との関わり方を一緒に考えていきます。
SST(ソーシャルスキルトレーニング)
人との関わり方やコミュニケーション、集団の中での行動などについて、具体的な場面を通して練習します。
「こういうときはどうすればいい?」という困りごとを一緒に整理し、本人に合った方法を考えていきます。
カウンセリング
学校生活や友人関係、家族関係などで感じている困りごとについて、一緒に整理していきます。
本人の気持ちや考えを大切にしながら、安心して生活するための方法を考えていきます。
一部の症状に対する薬物療法
ASDそのものを治す薬はありませんが、不安の強さ、イライラ、気持ちの切り替えの難しさなど、生活に大きな支障となっている症状に対して、お薬を使用することがあります。
症状に応じて、エビリファイ(アリピプラゾール)やリスパダール(リスペリドン)などのお薬を検討します。
得意・不得意を知るためのWISC検査
お子さんの場合、WISC検査を行うことで、知的な能力だけでなく、得意なことや苦手なこと、学習や生活の中でつまずきやすい部分を整理することができます。
検査結果をもとに、学校生活や家庭でのサポート方法を一緒に考えていきます。
「みんなと違うかもしれない」と感じても、大丈夫です
ASDの特徴は、一人ひとり異なります。
「人との関わりが苦手」「集団にいると疲れる」「予定が変わるとつらい」など、日常生活の中で困っていることがあれば、その原因を一緒に整理してみることが大切です。
得意なこと、苦手なことを知り、自分に合った環境や方法を見つけることで、過ごしやすくなることがあります。
「もしかしたらASDかもしれない」と思ったときは、診断を受けることだけを目的にするのではなく、「どうすれば本人が過ごしやすくなるか」を一緒に考えていきましょう。
気になることがあれば、お気軽にご相談ください。